78話 記憶が戻って | love storys  ~17歳、私と君と。~

love storys  ~17歳、私と君と。~

どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

「今・・・なんて言った・・・?」


「・・・」


「裕樹君・・・もしかして・・・」


夏帆がそこまで言った時、急に彼女が頭を抱えて崩れ落ちる。


「どうした!?」


僕は彼女のそばに駆け寄る。


「うう・・・」


夏帆は苦しそうな顔をする。


「大丈夫か・・・?」


僕が彼女の肩に手を置いた時・・・


夏帆の表情がいつもどおりに戻った。


そして、夏帆は僕の方を見た。


その表情はさっきとはまるで違う。


「裕樹・・・君?裕樹君だよね・・・?」


夏帆は当たり前の質問を僕にした。


信じられないというような顔をして。


「え・・・?そうだけど・・・」


僕が困惑の表情を浮かべながらそう言うと


「裕樹君!!」


夏帆が僕に飛びついてきた。


「うわっ!」


僕はよろけながらそれを受け止める。


「どうしたの?」


訳も分からず飛びついてきた夏帆に聞いた。


「やっと・・・記憶が戻ったよ!!」


夏帆は嬉しそうな表情を浮かべて言った。


「ほんとに・・・?」


「うん!!ほんと!!」


夏帆の記憶が戻った。


これはとても嬉しいこと。


けど・・・なんだろう・・・?


本当に夏帆の記憶が戻ってよかったのだろうか・・・?


夏帆が一度僕から離れた。


そして、昔と同じように意地悪そうな笑顔を浮かべた。


この時の夏帆は何かをたくらんでいる時の顔。


新潟に来てから・・・あれ以来初めて見た。


「裕樹君・・・」


そのままの表情で夏帆は僕の名前を呼ぶ。


「何?」


「久しぶり。君のことが大好きだ・・・」


夏帆を唇を重ねてくる。


僕はそれを拒まない。


だって・・・昔から想ってきた人だから・・・。


だけど・・・夏帆が舌を当ててきたその時・・・。


由美の顔が浮かんだ・・・。