75話 嫌な夢 | love storys  ~17歳、私と君と。~

love storys  ~17歳、私と君と。~

どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

~side裕樹~


また、嫌な一日が始まった。


時計を見る。早く着替えて家を出なくてはいけない時間だった。


別に、寝坊したわけじゃない。


あえて、この時間にしているんだ。


そうすることであの親と話さなくて済むんだから。


僕は携帯を開いてメールを送った。


もちろん由美にだ。


内容はちゃんと学校に行けよとかそんなくだらないメール。


こんなメールを送る理由は簡単。


由美と繋がっていたいから。


ただそれだけ・・・。


僕は着替えて家を出る。


学校までの何回か、メールの返信ボックスを確認するが


返信は来てない。


少し不安になる。


けど、ただ気づいてないだけかもしれない。


僕は教室に入る。


相変わらず五月蠅い教室。


一日目はそれが嬉しかったが、


今日みたいに少しテンションが低い日はあんまり嬉しくない。


「はぁ・・・」


僕は誰にも聞こえないぐらいの声でため息をついた。


「おはよう。裕樹君」


席に座ると、さっそく楓が話しかけてくる。


そんな彼女に


「ごめん。今は話しかけないで・・・」


僕はそう言って机の上に伏せる。


「うん・・・」


楓の少し寂しそうな声が耳に響いて少し罪悪感を感じる。


・・・なんだよこれ。


*********


ここはどこだろうか?


辺り一面に草原が広がっている。


どこのアニメの世界だ。


こんな場所来たことない。


というより、こんな場所あったか・・・?


『裕樹君!!』


後ろから声がして僕は振り返った。


そこにいたのは夏帆。


『ねぇ・・・昔みたいにキス・・・してほしいな・・・』


何の脈絡もなく、夏帆は言った。


『は・・・?なんで・・・?』


頭が混乱している僕に夏帆は顔を近づけてくる。


そして、唇が重なるその瞬間・・・後ろから声がした。


『裕樹君は夏帆を取るんいだね・・・』


愛しい声が聞こえた。


その声は少し冷たいもの。


僕は唇を合わせる前に後ろを向いた。


そこにいたのは、由美と・・・もう一人の男の姿。


『蓮・・・?』


『私、この人と付き合うから』


そう言って由美は蓮とキスをした。


『由美・・・なんで・・・よりによって蓮と・・・』


*****************


「・・・くん」


「・・・きくん」


「裕樹君!!」


「え・・・?」


僕は楓の声で目を覚ます。


「ごめん・・・寝てた・・・」


「知ってるよ。それよりすごい汗だよ!?大丈夫?」


「ああ・・・冷や汗ってやつだよ・・・」


僕は苦笑いする。


当たり前だ・・・。


夢にまで・・・蓮が出てきたんだから・・・。


それも・・・由美の隣で・・・。