病院で軽い治療が終わり、私たちは学校には行かずに
帰ることにした。
別にずる休みってわけじゃない。
合理的に休むんだ。
ちゃんと、先生にも言ったし。
梨香さんに電話したら、かなり心配してたけど。
それに、私なんて傷一つない。
問題は彼だ。
私は蓮の横顔をチラッと見た。
やっぱりカッコいい・・・。
私は視線を下におろす。
彼の手は絆創膏やらガーゼやらで覆われていた。
少し痛々しい。
これが全身になっていると考えると申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
「ん・・・?どうしたの?」
そんな私の視線に気づいたのか、蓮は私を気遣うように聞いてくる。
「何でもないよ」
そう言って気を紛らわせるように携帯を開こうとしたら・・・。
ん・・・?
あれ・・・?
ポケットに入っていない。
私は少し焦りながらバックの中を探す。
が、ここもハズレ。
さっきは、病院の中だったから公衆電話で梨香さんと
学校にかけたから気にしていなかったけど・・・。
どこに置いたっけ・・・?
私は全力で少し前の記憶へとさかのぼる。
「あ・・・」
やっと、思い出した。
車と衝突する直前に落としたんだった。
多分、あの荒い運転してた車に潰されただろうな・・・。
それに、さっきメールの返信の途中だったのに・・・。
・・・ていうかまずくないか・・・?
嫌な仮定が私の頭の中を駆け巡る。
仮定・・・?いや、むしろ確定事項だ・・・。
私は裕樹君のアドレスを知らない。
暗記なんてしてるはずがない・・・。
固定電話の番号も引っ越したから分かるはずがない。
これで、裕樹君と連絡をとる手段は携帯の番号だ。
けど、うる覚えだから全く自信がない。
他の人のアドレスなら、何かしらの連絡方法があるから
心配はないが・・・。
もし、私が番号を思い出せなかったら、
裕樹君から私の家の固定電話にかけてくれることを祈るしかない。
私は少しづつ焦りだしていた。
連絡が取れなくて・・・それでも二人は愛し合い、信頼することが出来るのかなぁ・・・?