人は死ぬ直前に走馬灯が見えるらしい。
なら、私にも見えるだろうか?
車は目と鼻の先にまで来ている。
「え・・・?」
その時私の体が地面から浮いた。
車にぶつかったわけじゃない。
誰か・・・男の人が私の体を持ち、そのまま反対側の車線に転がった。
最初、何が起きたかわからなかった。
けど、制服姿の男の子が私を抱えて車がないところまで行ってくれたのが分かると、ようやく理解ができた。
この人は私を助けてくれたらしい。
その彼の全身には擦り傷がたくさんあった。
でも、同じように転がった私には0。
それも彼のおかげ。
彼は倒れ込むときも私をかばいながら、私は一度も地面に触れていなかったのだから。
私たちは一旦歩道に入る。
「大丈夫?」
彼がそう尋ねてきた。
よく、その怪我で言えるもんだ・・・。
むしろ、そっちの方が重傷だろ・・・。
もちろんそんなことは言わないが。
「はい。大丈夫です。ありがと」
「よかったです」
私は周りを見渡す。
・・・もうさっきの車はいない。
どうやら逃げたらしい。
それに、あんまり人もいないせいか騒ぎにもなってない。
「さっきの車・・・逃げちゃったね・・・」
残念そうに彼は言う。
「そう・・・だね・・・」
彼を見る。
今ここで初めて彼の顔をちゃんと見た。
うっわ~・・・。
芸能人かと思うくらいのイケメンだった。
ジャニーズとかにいそうな感じの・・・。
髪型はパーマをかけているらしく少しふんわり?している。
色はすこし茶色が入っているがだいたいは黒。
そして、そんな髪型が似合う超イケメンだ。
「制服汚れちゃったね・・・ごめん」
彼は頭を下げる。
「え!?何言ってんの・・?君がいなかったら私死んでたから・・・。ありがとう」
私は精一杯の感謝の気持ちを込めてそう言った。
彼の顔が心なしか赤く染まる。
「あ・・・うん・・・」
「ていうか・・・その制服・・・」
「うん。君と同じ学校だよ。とりあえず、時間結構やばいし学校行かない?」
「はぁ!?何言ってんの・・・?」
思わず素が出てしまって、言った後少し後悔する。
「え・・・?」
彼は困惑した表情を浮かべる。
「その傷で行ってどうすんの?とりあえず、病院行こ。擦り傷だけじゃないかもしれないし・・・」
「ありがとう。優しいんだね」
彼はそう言ってほほ笑む。
その時、私は自分の心を疑った。
すごく、彼がカッコよく見えたんだ・・・。