ほんと学校行きたくない。
このセリフは何度目だろうか・・・?
「早く行きなさい」
梨香さんにそう催促されて私は渋々家を出た。
ドアを開けた途端、家との凄まじいほどの温度差で倒れそうになる。
もう9月なのにこの暑さ・・・。
嫌になる・・・。
こういう嫌なことがあれば、ほんとに良いこともあるのだろうか?
まあ、あんまり期待はしてないけど。
私は、耳にイヤホンをつけて歩き出す。
とりあえず歌とか聴いてないとどんどん鬱になっていきそうだから・・・。
空を見上げる。
雲ひとつない・・・とまでは言わないけど、快晴だ。
あの日以来、雨は降っていない。
裕樹君・・・君ともう一度やり直す誓いを立てたあの日・・・。
最近なんて降る気配すらない。
曇り空にすらならないんだから。
こんな猛暑が続く連日に雨の一つは降って欲しい。
唯一、晴れでいいことがあるとすれば星が見えることぐらいだ。
だからといって、別に毎日見える必要はまったくない。
その時、携帯のバイブ音が鳴った。
どうやら、誰かからメールが来たらしい。
裕樹君かな・・・。
そんな期待を胸に携帯を開く。
すると、案の定裕樹君からだった。
『おはよう。ちゃんとサボらずに学校行ってますか?休んだりすんなよ?』
少し素っ気ないメール。
けど、十分だった。
これだけで嬉しい。
私は横断歩道を渡りながら、返事を返そうとする。
その時、大きな音が耳に入ってきた。
車のクラクションの音だ。
猛スピードで右折しようとする車。
どうやら、ぎりぎりまで私の存在に気づかなかったらしい。
時が止まる。
私・・・死ぬのかなぁ・・・。
携帯が手元から落ちる。
けど、思ったより冷静な自分がいる。
多分・・・ただ実感がないだけ。
人の命なんて脆くて儚いそんなもの・・・。