59話 君を見かけたけど | love storys  ~17歳、私と君と。~

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どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

僕は昨日のことを思い出しながら、


新しい制服に袖を通す。


少し大きい。


けど、別に着られないほどではなかった。


僕は螺旋階段を降りて、リビングに向かうことなく


玄関に立ち、靴を履く。


その時、父親がリビングのドアを開けて、僕の方へ歩いてくるのが見えた。


めんどくさい・・・。


内心そんなことを思いながら、一応動作を止めた。


「裕樹・・・。朝食は食べないのか?」


そう言いながら父は靴を履き始める。


僕も靴を履く動作を再開する。


「別に・・・食べたいと思ってないから・・・」


僕は靴を履き終え玄関のドアを開ける。


僕が外に出ると父も同じように外に出た。


「そういえば、今日から二人くらい家政婦さんが来るらしいからな」


「そうなんだ。まあ、無駄にでかい家なのに、あの人は一切家事をしないからな」


「そう悪口を言うな。一応お前の親なんだからな」


誰があんな奴・・・。


僕はその言葉を口に出すのをやめた。


こんなことを言えばまた長くなる。


「僕に・・・愛情を持って接する親はいない」


そう冷たく言い放って父に背中を向けて歩き出した。


駅は数分歩いたところにあった。


大通りを歩いてたら一発で。


かなり早く家を出たのだが、早く着いてしまうかもしれない。


僕は、昨日夜中に調べた通りの電車に乗って


学校の最寄りの駅に向かう。


乗り換えもなく、非常に楽な道のり。


15分ほど経つとその駅に着いた。


その駅には数人の僕と同じ制服を着ている人が見えた。


時間が早すぎたためかかなり少ないが・・・。


僕と同じ制服の男が女の子と歩いている姿を見て、


そこで初めて、この学校の女子の制服も理解する。


その女の子は周りの目を気にせず、男にキスをする。


そして、一瞬女の子の顔が見えた。


「おいおい・・・」


その子の顔を見てそれしか言えなかった。 


僕は自分の目を疑う。


二つの驚くべき真実・・・。


夏帆は俺が通う学校の生徒で・・・


そして、君には彼氏がいた・・・。