気がつけばもう外は暗くなっていた。
部屋に入った後、特にすることもなく
ベットに横になっていたら眠ってしまったらしい。
僕は壁に掛けてあった高価そうな時計を見る。
八時半・・・。
そういえば、夕飯ってどうするんだろう・・・。
僕はそんなことを考えながら一階に降りる。
すると、すごいタイミングで玄関のドアが開いた。
そこにはまだ、数回しか見たことのない今の父親の姿が見えた。
「裕樹・・・久しぶりだな・・・」
あまり怖そうな印象のない父親。
眼鏡をかけていて、少し華奢な体格。
これで、かなりの金持ちと言うのだから笑ってしまう。
こんなんだから、あの人みたいな女に捕まるんだよ。
「あなた・・・おかえりなさい」
少し不満そうな顔であの人が出迎える。
「それに裕樹・・・今起きたのね」
「ああ・・・」
僕と父さんは頷いた。
「とりあえず、夕飯あるから食べなさい」
そう言って僕らはダイニングに案内される。
すごく広々としている。
パーティーでも開く気か?
そう突っ込みたくなる。
僕はこの時、由美の家と競えるくらいの金持ちであることを
改めて実感した。
この父親はどこの会社に勤めてるんだか・・・。
そして、テーブルの上には二人分の夕食。
どうやら、あの人は先に食べたらしい。
僕らは席に座る。
そこに置いてあった食べ物はキャビアだのがのっていた。
父親はそれを平然と食べる。
僕も食べてみる。
・・・間違いなくこの母親が作ったものではなかった。
あの母親が料理などできるはずがないのだから。
「そういえば、裕樹・・・」
あの人が話しかけてくる。
「何?」
僕は相手を見ずに応答する。
「あなた、明日から学校に行ってもらうから」
「・・・わかった。高校名と偏差値、通学時間を教えてくれ」
「高校名は八城高校。偏差値は72。時間は・・・何で通学するかによるわ」
「選択肢は?」
「リムジンか電車」
・・・すげぇ差だな・・・。
「電車で行くよ」
「乗り換え一回で約1時間」
「わかった」
僕は箸を置く。
一日目の豪華で素っ気ない夕食が終わった。