55話 道が繋がることを信じて手を握る・・・ | love storys  ~17歳、私と君と。~

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どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

それから、君との日々はなによりも早く過ぎ去っていった。


どんな楽しかった出来事よりも早く・・・。


君が言った通り、毎日キスをして、手をつないで、


触れ合って・・・。


梨香さんにも同じ話をした。


最初は少しさびしそうな顔をしていたが、最後は業務連絡みたいに


「夏帆を見かけたら連絡をください」


とか言ってたし。


そして、8月10日になる。


母親のところに行く日だ。


「裕樹君・・・」


駅まで見送りに来てくれた由美が寂しそうな声で


僕の名前を呼ぶ。


「どうした・・・?」


「もうすぐ行っちゃうんだね・・・」


「うん・・・」


「あと・・・どれくらいかな・・・?」


僕は時間を確認する。


「あと10分くらいしたらもう行かなくちゃいけない・・・」


「そっか・・・。新幹線だから漫画とかドラマとかにある、別れのシーンみたいに駅のホームで手を振ってギリギリまで追いかけるとかはできないな~・・・」


「あはは。是非それはやってほしかったな」


少しお互いに冗談を言う余裕ができていた。


「ねぇ・・・裕樹君。確認していい・・・?」


「何・・・?」


「離れていても・・・同じ気持ちで・・・ずっと私の彼氏でいてくれますか?」


「うん。もちろん!!」


僕は力強くうなずいた。


「毎日・・・とは言わないけどメールする。電話もするから!!」


「ありがとう。なるべく僕からもするから」


そう言って、僕は彼女の頭を撫でた。


「ありがと・・・。裕樹君・・・大好きだよ・・・」


由美の目からは当然のように涙がこぼれる。


「泣くなよ・・・。また会えるから・・・」


「裕樹君!!」


由美が僕に抱きついてくる。


「うわっ・・・」


僕の体制が少し崩れる。


そして周りの視線が痛い。


「どうした?急に・・・」


僕は少しうろたえる。


「離れたくない・・・でも・・・」


そう言って由美は僕から離れた。


「離れるしかない。君のこと信じてるからね・・・」


由美は僕の手を優しく握った。


強くではなく優しく・・・。


「由美の手のぬくもりを感じる・・・」


「でしょ?私の手・・・温かいんだよ?」


そう言って笑った後


「この手のぬくもりを忘れないで・・・ね?私も忘れないから・・・」


「うん・・・」


そして、僕らは違う道を歩き出す。


また、その道が繋がることを信じて・・・。