「裕樹君。何?話って・・・」
由美が公園にあるただ一つのベンチに座る。
昨日、母親に言われたことを由美に言おうと
今日、彼女を呼んだんだ。
「うん・・・」
僕は彼女の隣に座る。
「由美に・・・謝らなくちゃいけないことがあるんだ・・・」
僕は下を向く。
「え・・・?何?」
途端に由美から笑顔が消えて不安そうな顔になる。
「引っ越すことになった・・・」
「え!?・・・なんで・・・?」
「母親が日本に戻ってくるから一緒に住むことになった・・・」
「場所は!?また・・・会える距離!?」
「場所は・・・新潟・・・」
僕がそう言うと由美の顔が一瞬硬直した。
「新潟・・・か・・・。よりにもよって夏帆がいるところか・・・」
硬直の後、苦笑いを浮かべる。
「うん・・・」
「これで・・・結局、関係は崩壊かな・・・?」
「由美は・・・そうしたい・・・?」
「私は・・・裕樹君の彼女でいたい・・・。遠距離恋愛でもいいから・・・・きみの彼女でいたい。そこまで遠くないから、大型連休には会えるしね・・・」
「じゃあ・・・」
その僕の言葉を遮るように由美は続ける。
「裕樹君は夏帆にあってもまだ・・・私のことを見てくれる・・・?」
由美の目から、いつの間にか少し涙が見えた。
「っ・・・」
「裕樹君が遠距離でも普通の女の子になびかないことくらいは分かる。私のことを好きでいてくれるってことぐらい・・・信じられる。けど・・・」
由美は一旦言葉を切る。そして・・・
「夏帆ともし会ったら・・・・その時は君が夏帆にいかないって・・・信じられない!!きっと君はいってしまう!!」
「どうすれば・・・由美は信じてくれる・・・?」
「・・・じゃあ、君が行くまで毎日、私と会ってくれますか?毎日キスをしてくれますか?毎日手を握ってくれますか・・・?」
「うん。わかった。約束する」