風邪が治り、僕は由美の家を出ることになる。
「すいません。何日もお世話になっちゃって・・・」
僕は梨香さんに頭を下げる。
「いいんですよ。ここ、今男の子いないしもう何日かいてほしいくらいですよ」
梨香さんは微笑む。
「それは、すごく迷惑がかかりそうです」
「杉原君ならそういうと思いましたよ」
「ははは・・・」
「でも、由美はまだいてほしいと思ってますよ」
「だから、まだ由美が寝てるこの時間に帰るんですよ」
そう。時刻はまだ6時半。
由美に引き留められると帰りづらいのでこの時間に帰ることにしたんだ。
ということで、今は由美の家の玄関。
玄関と言っても、むしろ玄関ホールだが。
シャンデリアあるし。
その時、二階から騒がしい音と声が聞こえた。
「あ・・・」
「起きちゃいましたね・・・」
そして、凄まじいスピードで由美が一階に降りてきた。
「早っ・・・」
僕は思わず苦笑い。
「裕樹君!!帰っちゃうの~?」
「朝から、声でかくないか?ていうか、もっとおしとやかじゃなかった?」
「家だとこんな感じですよ。杉原君の前だけ猫かぶってたんですよ」
「なっ!!人聞きの悪い!!」
由美が頬をふくらませる。
「あはは。じゃあ、帰るから」
「え~・・・」
「え~・・・って。じゃあね」
僕は由美の頭を撫でた。
すると、由美の顔が赤くなる。
「じゃあ、今度裕樹君の家に遊びに行っていい?」
「いいよ。親いないし、いつでも遊びに来てよ」
そんな僕達とのささやかな約束は、
簡単に崩れさることになった・・・。
一通の手紙によって・・・。