次の日になると、体はずいぶん動けるようになっていた。
とは言っても、まだ熱は38度以上あり、安静にしなければ
いけないんだが・・・。
でも、何日も由美の家にお世話になるのはまずい。
早く治さなければという焦りもある。
その時、ノック音なしにドアが開く。
梨香さんかなと思ったがそこには違う人がいた。
一番見覚えのある人だ。
「裕樹君。具合は大丈夫?」
心配そうな顔で由美は僕の顔を覗き込む。
「大丈夫だよ。由美は大丈夫?」
「もう治ったよ。でもごめんね。私のせいで・・・」
由美は申し訳なさそうな顔をする。
その顔が少し可愛くて意地悪をしたくなる。
「ホントだよ。由美があんなところにいるから・・・」
「う~・・・。ごめん・・・」
少し涙目になって肩を落とす。
・・・少しやりすぎたかな?
「冗談冗談。別にそんなこと思ってないから」
僕がそう言って笑うと
「よかった~」
由美が笑顔を浮かべた。
「やっぱ、由美は笑顔が一番可愛いよ」
「ふぇっ!?」
由美の顔が途端に赤くなる。
「それは冗談で言ってるの?」
「ホントに」
僕がそう言うと一層顔が赤くなっていく。
「ありがとう・・・裕樹君・・・」
「何?」
「キスしていい?」
「風邪がうつるぞ?」
「キスじゃうつんないよ・・・多分・・・」
由美は微笑み僕にキスをする。
由美の唇が触れる。
ただ、これだけだと思っていた僕とは対照的に由美は舌を入れてくる。
僕は少し驚いたが、受け入れて自分の舌を由美の舌に当てる。
・・・なんかいつもと違う。
由美からこんな積極的に来ることはそんなになかったのに・・・。
その時、コンコンとノックする音が聞こえて由美は僕から
急いで離れた。
入ってきたのはもちろん梨香さん。
「由美お嬢様」
ため息交じりに由美を呼ぶ。
「ん?」
「なに病人襲ってるんですか・・・」
どうやら見ていたらしい。
僕らはいうまでもなく少し気まずい時間を三人で過ごした。