何分ほど僕らはこうして抱きしめ合っているのだろうか?
3分・・・5分・・・それよりもっと・・・?
「すごい寒い・・・。けど、温かいな」
由美が小さな声でそう言った。
「なんだよそれ?」
「雨で寒いけど、君のぬくもりを感じる。君の温かみを感じる。こうしてると・・・」
由美は僕を抱きしめる手を強くする。
「すごく幸せだ・・・」
ドクン。
ズキン。
二つの真逆の感情が僕のなかでうごめく。
なんなんだよ・・・。
その時、由美の手が力を失い体が崩れる。
「どうした・・・?」
僕はその体を支える。
少し嫌な予感がする。
僕は由美の額に手を当てる。
かなり熱い。
「由美!?大丈夫か!?」
「うん。だいじょお~ぶだよぉ~」
完全にだめらしい。
僕は少し苦笑いを浮かべる。
「じゃあ、帰るか・・・」
僕はそう言って由美をお姫様だっこのように抱える。
「ふぇ!?」
由美は素っとん狂な声を上げる。
「歩けないだろ?」
「ありがと。でも、ちょっと待って・・・」
「ん?」
僕が立ち止まると、由美は僕の首に手をまわしてキスをした。
そして、幸せそうな笑顔を浮かべた。
その表情がすごく可愛らしい・・・君のことが好きだと確信する。
けど、同時に・・・。