44話 最低な嘘 | love storys  ~17歳、私と君と。~

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どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

「夏帆のことは確かに気になる・・・けど、僕の彼女は由美・・・君だよ・・・」


「だからさ・・・」


由美は僕のそばにくる。


目の前に・・・。


そして軽く唇が触れるだけのキスをする。


唇が離れると由美は


「もう・・・無理しなくていいんだって・・・」


由美の頬が濡れている。


けど、それはきっと雨のせいで・・・。


「由美・・・」


「裕樹君・・・大好きだよ・・・」


由美がその言葉を言ったと同時に雨が強くなる。


それは、稀にみるほどの大雨。


「けど・・・もうお別れかな・・・」


由美は空を見上げる。


由美の顔が濡れる。


けど、由美は気にしない。


「裕樹君は星と一緒・・・」


「え・・・?」


「私には遠くにしか見えない。今みたいな時はその光すら見えない。もう・・・手の届かない人なんだよ・・・」


「なんで・・・そう決めつけるんだよ・・・僕は由美のこと・・・」


「夏帆は・・・」


またしても、由美は僕の言葉を遮る。


「新潟にいる。確かそう聞いた。別に会えない距離じゃないよ。今度行ってきなよ・・・」


「由美は・・・僕と別れたい・・・?」


「裕樹君が夏帆を見続ける限り・・・私の上に夏帆がいる限り・・・一緒にいても意味ないよ・・・」


「上にはいない・・・由美と夏帆は違う。僕の好きな人は由美だ・・・」


「そんなの信じられる訳ないじゃん!!」


由美が泣きながら叫ぶ。


由美の体が震える。


そんな彼女を僕は抱きしめた。


「僕は君が好きだ・・・」


そう言った時、由美の震えが止まった。


「ありがとう・・・」


由美が僕の背中に手を回す。







この時僕は最低な嘘をついた。


こんなことを言えば、さらに彼女を傷つけるのに・・・。


それでも、僕は由美にそばにいてほしかったんだ・・・。


この選択が・・・最終的にどんな結末を生むかこの時の僕はまだ知らない。


もし、知ってたら・・・僕はこんな嘘をついただろうか・・・?