「由美・・・」
僕は仰向けに寝ている彼女に声をかけた。
「裕樹・・・君?捜しに来てくれたんだ?」
由美は少し意外そうな顔をする。
「梨香さんから電話があったからな」
「そっか。来てくれてありがとう」
由美は立ち上がる。
「なあ、由・・・」
「ねえ、覚えてる?」
「え・・・?」
由美が僕の言葉を遮る。
「ここは・・・裕樹君と夏帆が一緒に流れ星を見た場所だよね・・・?」
「は・・・?なんでそんなこと・・・?」
僕の頭の中が混乱する。
「わかるよ・・・だって・・・その話を本人から聞いたから・・・」
「由美・・・夏帆のこと知ってるのか・・・?」
「うん。夏帆は私のいとこだよ。そして、裕樹君と夏帆がどんなデートをしたとか色々知ってる。夏帆は私に嬉しそうにそんな話をしてきたから」
いよいよ意味が分からなくなってくる。
「だから、びっくりした」
「何が・・・?」
「裕樹君から前の彼女の名前を聞いた時・・・。その話に夏帆が言ってた話が見事にかぶってたからさ」
そう言って由美は苦笑いを浮かべた。
「あ、そうそうちなみにこの話、梨香さんは知らないから。その時期ちょうど海外留学にいたらしいから。だから、梨香さんは普通に罰としてどこかの家で家政婦をやってると思ってる」
「そっ・・・か。なあ、一つ質問していいか・・・?」
「うん。いいよ」
「夏帆は今どこにいる?」
「・・・少なくとも会える距離にはいないよ。それだけは言っとく」
「そっか・・・」
「夏帆に会えなくてさみしい?」
「いや・・・そんなこと・・・」
「裕樹君の今の彼女は目の前にいる・・・。けど・・・やっぱ夏帆が気になるんだね」
そう言って由美は下を向く。
その時、今の僕らの関係を象徴するかのように
冷たい雨が降ってきた・・・。