「由美がいなくなったって・・・今、夜ですよ・・・?」
『さっき、部屋に見に行ったらいなかったんです!!ここ最近、奥様方は海外に仕事に出いていていないし…』
なんて間が悪い親だ・・・。
「行く場所の心当たりとかはないんですか?」
『わかりません・・・昔からあまり外に出るような子じゃなかったので・・・』
「そう・・・ですか・・・」
『今、何人かの家政婦さん捜してくれています。あなたも・・・探してくれませんか?』
「言われなくても、行きますよ」
僕は制服のまま家を飛び出す。
ベッドに制服のままで寝てたから・・・。
『お願いします。今は夏帆じゃなく・・・由美を・・・』
「何言ってるんですか。夏帆も今度捜しますよ。でも・・・今は・・・」
僕は言葉を止める。
『・・・?』
「なんでもないです。じゃあ、切りますね」
僕はそう言って電話を切った。
梨香さんが何か言ってたようだが、気にしないようにする。
由美が行きそうなところ・・・。
思考を巡らせるがまったく分からない。
近くの公園。
駅前・・・。
いろんなところに行くがまったく分からない。
賑やかな人の声が耳障りに感じる。
僕は由美に電話する。
さっきから何度も試した方法。
けれど、全部電源を切っていたらしく繋がらなかった。
そして・・・・今回もつながらない。
「どこにいんだよ・・・」
息切れが止まらない。
体が重い・・・。
・・・その時、見たことのある場所にいることに気づき周りを見渡した。
「ここって・・・」
夏帆と流れ星を見に来た・・・あの河川敷だ。
確か家からはけっこう距離がある。
でも、僕の家から一番近くにある河川敷はここ。
そして、僕は無意識のうちに昔、自分が横になって
夏帆と一緒に見たあの場所に行く。
そして、そこには・・・。
当たり前のように由美がいた。
僕と夏帆が草の上に仰向けになっていたように
由美も仰向けになって空を眺めていた。
けど、その空には星は見えない曇り空・・・。