39話 囁くように | love storys  ~17歳、私と君と。~

love storys  ~17歳、私と君と。~

どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

太陽が燦々と照りつける真夏日。


誰もが外に出ることを嫌う。


けど、学生は当然のように学校がある。


まあ、それも今日までだが。


今日は終業式。


明日からは学生特有の超大型連休である夏休みとなる。


僕は筆箱だけが入ったカバンを持ち、家を出る。


ドアを開けると家との圧倒的な温度差に少したじろく。


確か、朝の天気予報でやってたっけ・・・。


今日はまた、温度の高さで記録を更新したって・・・。


絶対に明日から外に出ることはなくなるな。


僕はそんなことを考えながら外に出る。


駅前まで来ると人通りがあわただしくなる。


そして、人口密度も増える。


結論・・・。暑苦しい。


けど、そんなことを言ってたら永遠に電車に乗れない。


「はぁ・・・」


僕はため息をつきながら電車に乗る。


「あ・・・」


その時、体が密着した隣の人を見た時思わず声が出た。


「すごい偶然だね、裕樹君」


由美はそういって苦笑する。


「だな。隣に女子高生がいてほしくなかった・・・」


「なんで?むしろいてほしいものなんじゃないの?あ、もしかして可愛い女の子限定とか?」


由美はい意地悪な笑みを浮かべる。


「いや・・・そうじゃなくて・・・。痴漢に間違われたら嫌じゃん」


「・・・彼氏を痴漢扱いする彼女はいないと思うけど・・・」


「確かにな」


「むしろ・・・」


そういって由美は僕の耳元囁くように


「たまにはそういうこと・・・してほしいなぁ・・・」


「え・・・?」


僕が顔を少し赤らめた時、電車のドアが開く。


人の波に押し流されるように僕達も電車から降りる。


「時間・・・結構やばいね。早く行こ?」


そう言って、由美が僕の手を引く。


「ああ、うん・・・」


今日の由美はいつもと違う・・・。


直感的に僕はそう感じたんだ。