「はぁ・・・」
日が暮れて漆黒の闇に染まった空。
町中から外れたこの道には少しの街灯しかなく、
少し先が見えない状態だ。
何の音も聞こえない。
僕は空を見上げる。星が見える。
無数の小さなかけら。
昔、よく夏帆と見ていたのを覚えてる。
その光景が今でも目を閉じれば浮かんでくる・・・。
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河川敷の草の上で二人で横になる。
季節は冬。
夜中、厚着をしているとはいえ少し寒い。
風が吹くたびに体が震える。
『寒いね~・・・』
夏帆が言う。
『だね。少し無理があったな。この時期にこれは』
僕はそう言って苦笑する。
『でも、見たいの。流れ星。さっき見えたんだから』
『別にどっちかの家で見ればいいんじゃないのか?』
『裕樹君と二人でこういうところで見たかったの』
夏帆は頬をふくらませる。
『そっか。じゃあこうすれば少しはあったかい?』
僕は夏帆の手を握る。
すると夏帆の頬が赤く染まった。
そうだ・・・。
あの時の僕達はまだ手をつなぐことすらままならなくて・・・。
なんで?
理由は単純でくだらないこと。
お互いが受け身であり、
お互いの初恋だったから・・・。
付き合って1カ月。
その時僕らは初めて手をつないだんだ。