「夏帆がどうして生きているのか・・・教えてくれませんか?」
「あれは、打ちどころがよくて、そこまでひどい怪我にはならなかったんですよ」
「でも、僕のところには死亡通知が来ましたよ・・・?」
「ああ、それはお父さんがそうしたんです」
「は・・・?」
「あの事故の後、裕樹さんが夏帆を守れてないとか激怒しちゃって・・・ただでさせ二人が付き合うことを認めてなかったから・・・」
「でも・・・そんなの・・・別れるって言えば・・・」
「それで二人は納得しましたか?」
「いや・・・それは・・・」
「お父さんの財力があればそれに似たものを作るなんて簡単なことですから」
それは・・・違法じゃないのか・・・?
「じゃあ、今・・・夏帆はどこにいるんですか?」
「それは・・・私が聞きたいですよ・・・」
「え・・・?梨香さん・・・・知らないんですか?」
プルルル・・・
僕らの話を遮るように梨香さんの携帯が鳴った。
「すいません・・・」
梨香さんは僕に断ってから電話に出る。
そして、電話が終わると僕の方を向き
「ごめんなさい。早く帰って来いと言われたので家に戻りますね」
梨香さんは一礼して時計を確認して走っていく。
僕はそれをただぼうぜんと見送ることしかできなかった。
夏帆はまだ生きてる・・・。
僕の頭の中にはその文字が反復して頭の中を駆け巡る。
僕の携帯が鳴る。
表示は『河原由美』
僕は携帯を閉じて、着信音が鳴りっぱなしのまま歩き出す。