「じゃあ、今から話すよ僕と夏帆の三年前のこと・・・」
「うん」
由美が頷いたのを見て僕は話し始める。
「夏帆は僕の前の彼女だった人だ。まあ、三年前に死んだけどね」
「え・・・じゃあ、なんでさっき・・・」
「ああ、似たような人がいただけ・・・。その三年前に死んだのは交通事故が原因でさ、僕らが横断歩道を歩いてるときに、右折してきたトラックに衝突したんだ。僕の真後ろで起こった惨劇・・・」
「それを今でも引きずっているの?」
「引きずらない方が無理じゃない・・・?目の前で大切な人がいなくなったんだぜ?一瞬で・・・。で、その後病院に搬送された。でも、その後のことは僕は知らない」
「え・・・?病院に行ってないの?」
「ああ。行ってない。正確には行けなかった・・・が正しいかな。夏帆の家は代々お金持ちで色々なものを所有していたらしい。それで、夏帆には当然のように婚約者がいた。それを取り消して僕と付き合ってたんだ」
「・・・」
由美は黙って僕の話を聞く。
「けど、あの事故が起きた。あっちの家庭としてみたら怒り爆発なわけで・・・。僕がちゃんと守ることができなかったから・・・」
「じゃあ、なんで夏帆さんが死んだって・・・」
「死亡通知のコピーをもらったからな。もっとも手渡しとかじゃないけど。だから、それが偽装とかじゃない限り・・夏帆は死んでる・・・」
「ごめん・・・聞いちゃいけない話だったね・・・」
「いや・・・でも付き合っていく上で隠し事も嫌だったし・・・それに・・・」
「それに・・・?」
「まだ夏帆の件は終わってはいないんだ・・・」
「え・・・?」
「夏帆の名字は佐伯・・・まだ関係は途切れてはいない。まだ、きっとやることがあるんだ・・・」
「それって・・・」
「うん。由美の家の家政婦さんが夏帆のお姉さん・・・」