いつもより遅く設定した目覚まし時計が耳元で鳴り響く。
五月蠅い・・・。
僕は左腕を動かしてアラームを止める。
止めた後は静寂が訪れる。
時刻は8時45分。
今日が平日だったら、HRが始まっていて
完全なる遅刻だ。
けど、今日は日曜日。
むしろ、こんな早く起きるのは珍しい。
けど・・・今日は起きなくちゃいけない。
だって・・・今日は由美とのデートの日だから・・・。
少し後ろめたさはある。
由美にも、夏帆にも・・・。
けど、由美の笑顔を見たら断ることはできなかったから
デートすることにしたんだ。
わかってる・・・。
このままいけば由美を傷つけてしまうかもしれないことぐらい・・・。
待ち合わせ場所に着くと、20分も前にもかかわらず、
由美はそこにいた。
「おはよ。裕樹君」
由美は微笑む。
「うん。おはよ」
「じゃあ、どこ行く~?」
由美は僕の手を握ってそう聞く。
「どこでもいいよ」
「じゃあ、二人になれるところがいいなぁ」
由美が必要以上に僕にくっついてくる。
嫌じゃない。
むしろ嬉しい・・・。
はずなのに・・・。
なんだろう・・・この感じは・・・?
周りの視線を気にしながら、それでも僕はそれを受け入れて
抱きしめようとするはずなのに・・・。
今の僕にはそれができない。
「くっつきすぎだよ・・・」
僕は少し由美から離れる。
それを少し悲しそうに見て由美の顔を見て
自分でやったことなのに切なく・・・悲しくなるんだ・・・。