23話 ウインク | love storys  ~17歳、私と君と。~

love storys  ~17歳、私と君と。~

どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

「じゃあ、帰るね」


僕はベッドから起き上がり由美にそう告げる。


「え~・・・もう帰っちゃうの?」


由美が寂しそうな顔を浮かべる。


「もう30分くらいいるんだけど・・・」


「まだ30分じゃん!!」


「使用人さんがいい加減不思議に思うだろうが」


「む~・・・」


「明日、由美が学校くれば会えるよ」


「やだな~・・・学校・・・あの雰囲気嫌い・・・」


「そりゃあ、俺もだけど・・・」


「明日、デートしたいな・・・」


「は?平日だぜ?」


「学校サボってさ」


「無理。僕は由美と違って頭良くないんで」


「何それ?嫌み~?」


由美が不満そうに僕を見る。


「うん。嫌み」


僕がそう言って笑うと由美が


「む~」


といって頬をふくらます。


「じゃあ、帰るね」


僕がそう言って由美に背中を向ける。


「じゃあさ!!」


由美の声がして、僕は振り返る。


「何?」


「今週の日曜日デートしよ!!」


由美の顔が赤くなる。


「わかった」


僕はただ一言そう告げて由美の部屋を出る。


階段を下りてすぐ側にさっきの使用人さんがいた。


「日曜日デートするんですか?」


使用人さんは笑いながら僕に尋ねる。


「聞こえてたんですか?」


「はい。大概は」


「あはは・・・」


僕は思わず苦笑する。


「ダメですよ。そういうのは聞かれないようにしないと」


そう言って使用人さんはウインクする。


「え・・・?」


今、彼女の顔が『君』に重なった・・・。


そう。


最初から違和感があったんだ。


仕草や行動、癖・・・。


この使用人さんは『君』にそっくりだ・・・。