「じゃあ、私はここで失礼しますね」
使用人さんは由美の部屋の前に僕を連れてきた後、
一礼をしてそう言った。
「えっ・・・ちょっ・・・」
戸惑う僕に笑顔で
「頑張ってください」
と言って階段を降りて行った。
このドアの向こうに由美がいる・・・。
そう思うとなんだか緊張してくる。
でも、ここで立ち止まっていてもしょうがない。
僕は、ドアをノックする。
「は~い。どうぞ~」
由美の声が聞こえる。
透き通った可愛らしい声。
僕はなにも言わずにドアを開けた。
「裕樹君!?」
僕の姿を見るなり由美は大声を上げる。
「うん。プリント持ってきた」
そう言って、上半身を起こしてベッドの上にいた
由美に数枚のプリントを渡す。
「あ・・・ありがと・・・」
由美がそれを受け取る時、お互いの手が触れる。
お互いの体がそれに反応してプリントを落としてしまう。
緊張しているから、過敏になるんだ・・・。
そして由美はプリントには目を向けず、
僕の方を顔を赤くしながら、ただじっと見る。
由美が何を求めているか・・・由美の表情を見て簡単に分かること。
僕は・・・なにも言わず由美にキスをした。