家に着いたと同時に、当たり前のように
携帯のメール受信音が鳴った。
確かに、今日の別れ際に由美は
「後でメールするね」
と言っていたが、まだ30分・・・。
僕はメールの内容を見る。
『初メールです。これからよろしくね』
絵文字のなく、そっ気のないメール。
それに、かなりありきたりな・・・。
けれど、由美は男の子にほとんど
メールを送ることがなかったらしいので、
これが全力のメールなんだろうと思った。
だから、僕は
『あんまり、かたいメールじゃなくていいよ。ありのままで・・・』
僕がそのメールを送った1分後に
着信音が鳴った。
『もしもし・・・』
由美の可愛らしく優しい声。
『もしもし。どうしたの?』
『メール・・・なんか嬉しかったから・・・』
電話では、相手の顔は見えないから
表情が分からない。
相手が、悲しんでいるのか、喜んでいるのか。
声で分かることもあるが、それは完璧じゃない。
でも、僕は電話が好きだ。
相手の声だけを聞くことができるから。
表情があれば、顔を見て声を聞いて・・・。
それより、相手の声の大きさ、高さ、
そんなのに集中して相手の表情を想像したいから・・・。