13話 相手の声を | love storys  ~17歳、私と君と。~

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どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

家に着いたと同時に、当たり前のように


携帯のメール受信音が鳴った。


確かに、今日の別れ際に由美は


「後でメールするね」


と言っていたが、まだ30分・・・。


僕はメールの内容を見る。


『初メールです。これからよろしくね』


絵文字のなく、そっ気のないメール。


それに、かなりありきたりな・・・。


けれど、由美は男の子にほとんど


メールを送ることがなかったらしいので、


これが全力のメールなんだろうと思った。


だから、僕は


『あんまり、かたいメールじゃなくていいよ。ありのままで・・・』


僕がそのメールを送った1分後に


着信音が鳴った。


『もしもし・・・』


由美の可愛らしく優しい声。


『もしもし。どうしたの?』


『メール・・・なんか嬉しかったから・・・』


電話では、相手の顔は見えないから


表情が分からない。


相手が、悲しんでいるのか、喜んでいるのか。


声で分かることもあるが、それは完璧じゃない。


でも、僕は電話が好きだ。


相手の声だけを聞くことができるから。


表情があれば、顔を見て声を聞いて・・・。


それより、相手の声の大きさ、高さ、


そんなのに集中して相手の表情を想像したいから・・・。