帰り道、さすがにキスをした後は無言になる。
だからこそ僕は彼女の手を握った。
由美の温もりを感じる。
「・・・」
由美は僕の方を見てなにも言わず、
顔を赤くするだけ。
そして、数秒もたたないうちに顔をそむける。
こういう関係って初々しくてすごくいい。
由美がさっき言ってた通り、
今まで何人もの女の子と付き合ってきた。
けど、こんなぎこちなく手を握ったりとか
恥ずかしがりながらキスしたりとか・・・。
今はこういう『初めて異性と付き合ったような
可愛らしい恋愛』をしてみたかったんだ。
前は、むしろ手をつないだかすら記憶にない。
何度も、相手が求めてきて、それに答えて一つになって・・・。
キスなんて長いのしか・・・。
・・・やめよう。
隣に由美がいるのに、こんな過去を振り返るのは。
「・・・あのさ」
そのとき、由美がうつむいたまま、
僕に話しかけてくる。