「13回」
帰り道、初めて一緒に帰る時の
第一声がそれだった。
「え・・・?何が?」
由美が困惑した表情を浮かべる。
「由美が僕から消しゴムを借りた回数」
「う・・・。ごめん・・・」
由美はうつむく。
「怒ってないよ」
僕は笑いながらそう言って、
由美の頭を撫でた。
「ひゃあ!?」
由美はその場で固まる。
「どうしたの?」
僕も思わず立ち止まる。
手は由美の頭の上のまま。
「男の子に髪とか頭とか触られたの初めて・・・」
「あ・・・ごめん・・・」
僕が手を離そうとすると由美が
「そうじゃなくて!!」
「え・・・?」
「嬉しいから・・・このままがいいな・・・」
「そっか」
僕はその後はなにも言わず、
ただゆっくり髪を何度も撫でる。
その間、二人は立ち止まったままだった。
駅までの通学路。
大都会の人気のない路地裏で・・・。