キィィィ!!
甲高く嫌なブレーキ音が聞こえて
車が急停車する。
けれど、その運転手が必死に
踏んだブレーキもむなしく、
前方にいた人に車体は直撃する。
そして、その女の人は数メートル先に
飛ばされる。
たくさんの人の悲鳴が聞こえて・・・。
「裕樹君・・・?」
「あ・・・ごめん・・・」
由美の声で僕は現実に戻る。
「どうしたの?」
「あ・・・なんでもないよ」
僕はそう言って、心配そうな
顔をしている由美に笑顔を向ける。
「そう・・・?」
「うん。で、何の話だっけ?」
「ただ・・・お昼はいつもどうしてるのかなって」
「ああ・・・。僕はいつもパンだよ。朝とかあんまり時間ないからさ」
「じゃあさ・・・」
「ん・・?」
「えっと・・・えっと・・・」
恥ずかしそうに、顔を赤らめながら
何かを言うか言わないか、考えている。
そして、意を決っしたかのように
「あ、あのさ!!」
「何?」
僕は、頬づえをつきながら
笑顔で由美の言葉を待つ。
「よかったら裕樹君の弁当作ってこようか?」
「え!?」
考えもしなかった由美の言葉に
僕はクラス全体に響き渡るような
大声を出してしまった。
「ごめん・・・嫌だった?」
由美はしゅんとなって下を向く。
「いや、作ってくれるならすごい嬉しいよ」
僕がそう言うと、由美の顔がぱぁっと
明るくなって
「明日作ってくるね」
と言った。