「間違えないなんてできるの~?」
「う・・・うん」
「無理だな」
「で・き・る・の~!!」
彼女はほほを膨らませる。
可愛いな・・・。
思わずそんな感想を持った自分に苦笑。
「あ、そういえばさ」
彼女は何かを思い出したように手のひらを叩いた。
「何?」
そう僕が聞くと
「名前教えてくれない?」
彼女の顔がほのかに赤くなる。
「杉原だよ」
「苗字じゃなくて名前だよ!!」
「名前?裕樹だけど・・・。なんで?」
「なんとなく気になったから」
なんとなくってのが妙に気になるが
あえて触れないでおくことにする。
「じゃあ、君の名前もフルネームで教えてよ」
「河原由美だよ」
よし。苗字も知ることができた。
女子の名前なんてまったく知らなかったからな・・・。
「じゃあ、よろしくね河原由美さん?」
「いまさら!?ずっと隣だったのに・・・。それになんでフルネームで呼ぶの!?」
困惑した表情で由美は僕を見る。
「じゃあ、由美」
「なっ・・・」
由美の顔がさっきとは比較にならないくらい赤くなる。
「名前で呼ぶの!?」
由美は明らかに動揺している。
「嫌だった?」
返ってくる返事は分かるのに聞く。
これは僕の嫌な性格のひとつだ。
「いや・・・そんなことはないけど・・・。じゃあ、私は裕樹君って呼んでいい?」
なぜに君付け!?
そんな疑問もあったが、そうやって呼ばれるのも
嫌じゃないので聞かない。
それで変えられたら嫌だし。
「わかった」
計ったかのように、僕がそういった
直後に4時間目の始業のチャイムが鳴った