2話 少し触れただけで | love storys  ~17歳、私と君と。~

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どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

彼女は文字を消し終わり、


「ありがとう」


笑顔で僕に消しゴムを渡してくる。


「あ・・・うん」


僕が消しゴムを受け取る時、


彼女の手が少し動いて僕の手に触れた。


それはとても何気ないこと。


よくコンビニやスーパーでレジの店員からお釣り


をもらう時に手が触れてしまう・・・


くらいありがちで自然なこと。


けど、僕は赤面して顔をそむける。


「え・・・?私何かしました?」


彼女は怪訝そうな顔で僕を覗き込む。


顔がすごく近い。


目の前に可愛らしい女の子の顔が・・・。


「別に・・・何もしてないよ」


僕は平常心を保とうとする。


けれど、心臓の鼓動は正直だ。


周りにも聞こえるんじゃないかというくらい


大きな音を出している。


そして、クラス中が無事でノートのページを


めくる音やら、先生が黒板に文字を書く音しか


しないのも質が悪い。


頑張れ自分。


僕は大きく息を吸ってゆっくり吐く。


これで少しは落ち着く。


だが、今日の僕は運が悪かった。


「杉原。この問題解いてみろ」


先生が僕を指名してきたんだ。


別に勉強についていけないわけじゃない。


このクラスでも毎回上位を争う位置にいる。


しかし、この時間は唯一苦手な数学。


黒板を見て理解しようとするが全く分からない。


30秒ぐらい僕が何も言わないとみんなが


僕の方を見る。


こうなると焦りだし、問題の答えを冷静に


考えることができなくなる。


その時・・・