大学四年生になって、私は学年トップをとれる程の
学力をもっていた。
そしてミスコンで優勝。
自慢じゃないが一日に一回は間違いなく告白される。
ラブレターま毎日十通は軽い。
今の私なら拓也は振り向いてくれるだろうか?
そんな恋する乙女のようなことを考えている自分が
恥かしくなる。
22歳にもなって・・・。
それに、真美には絶対に勝てない。
生きている人は死んでいる人には敵わないのだから・・・。
きっと拓也の心から真美が消えることない・・・。
そんなことを考えながら、大学のキャンパス内
を歩いていると、いつも通り男の子に声をかけられる。
いつもなら、それを軽くあしらうのだが、
久しぶりに会ったその相手に、
思わず返事をかえしていた。
「久しぶりだな、香織」
そう声をかけてきたのは幸一だったんだ。
いつも、拓也といっしょにいた男の子。
もちろん、私も結構親しい仲にあった。
「幸一・・・。久しぶりだね」
幸一は高校時代とはずいぶん変わっていた。
茶髪にして、髪を立てて。
すごく似合ってる・・・。
けど、かれは、そんなことをする性格じゃなかったので
少し驚く。
「ずいぶん変わったね」
私がそう言うと
「大学だし、あのままじゃなって思ってこうしてるんだよ」
彼は恥ずかしそうに少し下を向く。
無理をして、背伸びをしている彼に
いとおしさを感じ、
「偉い、偉い」
そう言って、彼の頭を撫でた。
「子供扱いするなよ~」
彼はそう言って頬をふくらました。
「子供じゃん」
高校の時から、こんな感じ。
私はいつも、子供みたいな仕種をみせる
彼をからかっていたんだ。
「でも香織もずいぶん変わった気がするよ」
「え・・・?」
「すごく可愛くなったよ」
彼は微笑む。
その表情、言葉にドキッとした。
大学に入って、可愛いなんて数えきれないほど言われた。
けど、高校から一緒だった相手に・・・今まで
言ってくれたことのなかった相手が初めて言ってくれた・・・
なぜか、それがすごく嬉しかった。
それに、あんなカッコいい微笑み初めて見た。
「なあ、香織・・・」
「なに・・・?」
「香織・・・きみが好きだ・・・」
彼は下を向いてそう言った.
「顔・・・・あげて・・・」
そして、彼が顔をあげた瞬間・・・
私は彼にキスをした。