僕は、はぁとため息をついて日記を閉じた。
あのときの思い出が走馬灯のように浮かびだされる。
もう、あれから5年も経っているというのに・・・。
今はもう22歳で今年で大学を卒業する。
「ねぇ・・・拓也」
後ろから真美の声が聞こえたような気がして
思わず振り返る。
けど、君の姿はそこにはない。
でも・・・今でも「拓也!」とか言って、
僕の前に現れてきてくれる・・・
そんな気がするんだ・・・。
君といた期間は、とても短く儚いもの。
けど、その短い時間の中で、君と触れ合い、
キスをして、一つになって・・・
愛し合ったんだ。
そして、真美の写真を拾い上げ、
それに呟く。
「君と恋愛したおかげで、もう他の人と付き合える気がしないよ」
冗談交じりにそう言う。
けど、それはきっと冗談でもなんでもなかった。
そして、僕はあの河川敷に行く。
僕と君が最初と最後にキスをしたあの河川敷に。
そこで僕は一枚の手紙をポケットから取り出して、
川へ投げた。
天国にいる真美に届くように・・・。
Dear真美
毎年こうやって手紙を送っていますが、ちゃんと読んでくれてますか?
もう君がそっちに行ってから五年が経ちます。
僕は、今でも恥ずかしいことに暇で何も考えることがないと君の顔が浮かんできます。
大好きな妹の顔が。
君と一緒にいた時間はとても短いものだったけど、どんな時間、瞬間よりも楽しかったよ。
だって、もう五年もたっているのに君のことで頭がいっぱいになるときだってあるんだから・・・。
あれ?もうこのセリフは言ったっけ?
真美。君が大好きだ。これからもずっとずっと・・・。
だから、この先10年経っても20年経っても、君を忘れない。
でも、君のことだから早く忘れて他の人と幸せになってとか言うかもしれない。
けど、お生憎さま。
僕は、君しか見えない。
姿に見えなくたっていなくなったって、僕が好きなのは君だから・・・。
大好きな君へ 拓也