カチャ。
少し高い音が聞こえる。
真美がボールペンの芯を出したらしかった。
そして、真美が
「ごめん・・・」
小さな、か細い声でそういって
僕の右手を思いっきり刺した。
「っ・・・」
右手に激痛が走り僕は思わず右手を離してしまう。
「拓也、今までありがとう。私の恋人でありお兄ちゃん・・・」
真美は目に涙を浮かべながら落ちていった。
僕は、ただそれを見送るしかない・・・。
そして、不思議にも真美の愛用していた、僕の血のついた
シャーペンが転がっていた。
「こんなもの!!」
僕はそれを手に取り投げ捨てようとする。
けど、直前で真美がそのシャーペンを使いながら
勉強しているときの顔が浮かんで、それをやめた。
そして、それをゆっくり握り締めて、
「真美・・・」
と小さく真美の名前を呼んだ。
地上からはたくさんの悲鳴。
そして遠くから救急車のサイレンのいやな音が
聞こえてくる。
僕は大の字になって仰向けにねっころがった。
「真美~!!」
僕は最愛の人の名前を大声で叫んだ。