89話 君と僕の手 | love storys  ~17歳、私と君と。~

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どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

カチャ。


少し高い音が聞こえる。


真美がボールペンの芯を出したらしかった。


そして、真美が


「ごめん・・・」


小さな、か細い声でそういって


僕の右手を思いっきり刺した。


「っ・・・」


右手に激痛が走り僕は思わず右手を離してしまう。


「拓也、今までありがとう。私の恋人でありお兄ちゃん・・・」


真美は目に涙を浮かべながら落ちていった。


僕は、ただそれを見送るしかない・・・。


そして、不思議にも真美の愛用していた、僕の血のついた


シャーペンが転がっていた。


「こんなもの!!」


僕はそれを手に取り投げ捨てようとする。


けど、直前で真美がそのシャーペンを使いながら


勉強しているときの顔が浮かんで、それをやめた。


そして、それをゆっくり握り締めて、


「真美・・・」


と小さく真美の名前を呼んだ。


地上からはたくさんの悲鳴。


そして遠くから救急車のサイレンのいやな音が


聞こえてくる。


僕は大の字になって仰向けにねっころがった。


「真美~!!」


僕は最愛の人の名前を大声で叫んだ。