86話 真美の大人のような仕草や言動が | love storys  ~17歳、私と君と。~

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どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

僕らは入ってすぐ目の前にあったエレベーターに乗る。


エレベーターの内装はすごく綺麗。


鉄が光ってる。


僕は1~12と書かれたボタンの前に行き、


真美の方へ体を反転させて


「何階に行きますか、お嬢様?」


と笑いながら言った。


「じゃあ、最上階でお願いしますわ」


と真美なりのお嬢様風の口調。


「了解致しました」


僕は真美に一礼して12Fのボタンを押した。


12階までの間、僕らは何も話さずにただ見つめ合うだけ。


真美が何を考えているのかは分からない。


ただ、喋ったり触れ合ったりするのは


よくないかなと思っただけ・・・。


12階に着き、エレベーターのドアが開いた。


このフロアに着いて驚いたことがある。


それは、人が住む家がこのフロアには一つもなく、


文字通りの屋上となっていた。


そしてもう一つは落下防止用の金網がないこと。


こういう屋上なら大概あるはずの金網がない・・・。


あるのは、小さな手すりがあるだけ。


「いい場所じゃない?」


真美がいたずらのような笑顔をみせる。


「え・・・?」


その真美の言葉に少しうろたえる。


何度も来たことがある・・・というように


聞こえるんだ。


「こんな高い所なのに遮るものが何もなくて、地上にいるときには感じることのできない風が私たちの体を通り抜けていく・・・」


真美は遠くを見て、髪をいじった。


この時の真美はまるで大人のようだった。