「じゃあ、行こっか」
僕はそう言って、真美の手を引く。
真美は無言でうなずいて歩き出す。
河川敷から、大通りに出て田舎から
都会に変わったかのような感じがする道に出る。
辺りは少しづつ暗くなっていくに従い、
都会のような街並みに明かりが灯っていく。
まだ少し明るいのに・・・。
これを電気代のムダ言うのだろう・・・。
その時、ひとつの突風が僕らの体を
通り抜ける。
と同時に真美が足を止めた。
「・・・?どうした・・・?」
「あの、マンションの最上階に行ってみたい」
そう言って真美は、目に前にある12階建てくらいの
マンションを指差した。
「・・・なんで?」
僕は不思議そうに真美を見る。
「なんか、高いところにいってみたいなぁって」
そう言って、真美は無邪気な笑顔を見せた。
その笑顔を見せられると僕は弱い・・・。
「けど、どうやって中に入る?鍵がないと入れないよ?・・・あ」
その時、マンションの扉が開き、一人の女の人がでてきた。
僕は、無意識のうちに走り出していた。
そのドアは、オートロックで自動ドア。
閉まるまでに、その近くにいければもう一度開く仕組み
のドアだった。
そして、閉まるギリギリのところで、僕の足が
センサー感知されるところに入り、ドアが開いた。
「さすが拓也だね」
真美がそう言って、僕に笑顔を見せる。
この笑顔に・・・甘いんだよなぁ・・・