84話 last kiss | love storys  ~17歳、私と君と。~

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どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

時刻は午後四時半を回っていた。


もうすぐ病院に戻らないと・・・。


「拓也、今日は楽しかった!!」


夕陽に染まる河川敷を歩きながら


真美が言う。


「そうだね。僕も楽しかった」


「あと、私たちのデートは病院に戻るまでのこの歩く時間だけだね」


少し寂しそうに真美はいう。


「うん。この河川敷の道を抜けて・・・もうちょっと経ったら・・だね」


「そういえば、この河川敷ってさ・・・」


真美が足を止めて周りを見渡す。


「あ・・・」


僕も思い出す。


「この時間に・・・この場所で私たちは最初のキスをしたんだよね・・・」


「だね・・・」


僕も足を止めて真美を見つめる。


「拓也・・・キスして・・・。私の最後のキスはここがいいから・・・」


「うん・・・」


僕は頷き、真美にキスをした。


『あの時』と同じように一瞬だけ・・・。




あの時の僕はきっとまだ、真美の最後の


想いに気づいてなかったんだろうな・・・。


君の「最後のキス」の本当の意味を分かっていなかったんだから・・・。