「けっこう広いんだね~」
真美がカラオケのの室内に入った第一声がそれだった。
「真美・・・」
「何~?」
「カラオケ行ったことないの?」
「えっ・・・?ある!あるよ!!」
動揺してる。
多分、真美は初めて来たな・・・。
「じゃあ、これ・・・できるよね?」
そう言って、歌を決める機械を真美に渡す。
「う・・・」
真美は顔をそむけた。
「来たことないんだ?」
「うん・・・」
**********
「結構歌ったね。時間あとどれくらい?」
「え~と・・・」
僕は伝票と時計を見比べる。
「あと一時間だね」
「けっこうあるね。歌うの疲れたから、はい」
そう言って真美は僕にマイクを渡す。
僕だって結構歌ったんだけど・・・。
僕はマイクをテーブルの上に置く。
「・・・?」
真美は不思議そうな表情を浮かべた。
「真美・・・」
僕は真美の肩を抱き寄せ、真美の体を僕の方へ・・・。
真美は力を抜いて、僕に寄りかかる。
真美の頭が、僕の肩に乗る。
僕はその真美の頭を撫でる。
「こうしてると・・・落ち着く・・・」
真美が言った。
「僕も・・・だよ・・・」
頭を撫でながら僕は目を閉じた。