「えと・・・」
僕は返事に困る。
「やっぱ・・・だめだよね・・・」
真美は下を向く。
「それが・・・真美の願い?」
「うん」
真美は頷く。
「わかった。ただ、母さんに言うなよ~?」
「言わないよ。けど・・・本当にいいの・・・?」
「うん」
そう言って僕は真美にキスをした。
この不意打ちのキスはいつもの真美なら、すぐ唇を離す。
けど・・・今は・・・僕の背中に手をまわして離れようとはしない。
このままずっと・・・こうしていたい。
いつか、この温もりが消えてしまうのだろうか・・・。
そう思うと胸の底が痛む・・・。
消したくない・・・。
僕はそう思いながら、真美の体をそっと包み込んだ。
そして、真美に一日だけ外に出ることが許された日になる。
真美にとっての最後の日の光・・・。
外は快晴だ。
これから、僕らの『最後のデート』が始まる。