「聞いたことないな・・・私は・・・」
母さんはうつむいてそう言った。
「そっか・・・。本人に聞くしかないな」
病室に入ると、真美は読書をしながらウトウトしていた。
寝てればいいのに・・・。
「あ、拓也とお母さん」
真美は僕らに気づくと本を閉じて笑顔を向ける。
「うん。具合はどう?」
「まあまあかな」
「そっか。そういえばさ、真美って何かやりたいこととかある?」
僕は唐突にそんなことを聞く。
「え・・・?」
「最近外出てないからさ。なにかないかな~と」
「あるよ・・・」
真美はそういって顔を赤くする。
「何・・・?」
「ちょっと・・・お母さんがいるといいづらい・・・かも」
「わかったわ」
そう言って、母さんは病室から出る。
「で・・・何?やりたいの?」
僕が聞くと、真美は僕の方をじっと見る。
「絶対にやってはいけないこと・・・だよ」
真美はそう言って僕の手を握った。