「もしもし・・・」
女にしては少し低い声・・・。
ずっと昔に聞いたことある声が、僕の耳に入ってきた。
「僕のこと覚えてる?」
「はい・・・?」
この、唐突な質問に相手は少し戸惑っているようだった。
「すいません・・・。どちらさまでしょうか?」
「須藤拓也」
ただ、一言・・・。はっきりとそう言った。
「え・・・?拓也なの・・・?」
「そうだ。あんたの息子だよ。あとで、詳しいことは話すけど、とりあえず○○病院に来てくれ」
「え・・・?今から?」
「そうだよ!!早く来てくれ。いいな」
口調が少し荒くなる。
なんでかは分からない。
母親に関する記憶はほとんどない。
なのに少し苛立ちがあった・・・。
「・・・わかったわ」
その返事を聞いたと同時に僕は電話を切った。
そして、20分くらい経ったころに
母親が僕の目の前に現れる
仕事帰りなのか、スーツを着ている。
なんの仕事をやってんだか・・・。
「久しぶりだな、母さん」
「・・・そうね」
これが、母親との14年ぶりの対面・・・。