65話 必要になる紙 | love storys  ~17歳、私と君と。~

love storys  ~17歳、私と君と。~

どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

観覧車の扉が開いたと同時に、


真美をおぶって走る。


「そんな急がなくて大丈夫だよ」


「ゆっくり歩いてる方がよっぽど嫌だ」


出入り口の派手な門をくぐり抜けたあと、


「近くに大学病院あるからそこでいいか?」


と真美に聞く。


「うん。たしか、けっこう大きいところだよね?」


「うん」


「じゃあ、そこにしよ」


僕は自転車の後ろに真美を乗せて、全速力で


自転車を漕いだ。


「あ、そういえば・・・これ」


真美が僕に一枚のメモ用紙を差し出す。


僕は事故が起きないよう、前を見たままその紙を


受け取る。


「何の紙?」


「お母さんの携帯の電話番号」


「そんなのいらないよ」


「いいから持っといて・・・。必要になるから・・・」


「・・・わかった・・・」


そんなやり取りをしているうちに大学病院に着く。


そのあとのこあとはあまり覚えていない。


焦ってたし・・・。


レントゲンを撮ったり、


色々・・・。


「保護者の方を呼んでいただけますか?」


医師の低い声。


どうやら検査が終わったらしい。


「・・・はい」


僕は小さな声で返事をする。


そして、真美から教えてもらった電話番号に僕は


電話をかける。


真美の母親の携帯の番号に・・・。