観覧車の扉が開いたと同時に、
真美をおぶって走る。
「そんな急がなくて大丈夫だよ」
「ゆっくり歩いてる方がよっぽど嫌だ」
出入り口の派手な門をくぐり抜けたあと、
「近くに大学病院あるからそこでいいか?」
と真美に聞く。
「うん。たしか、けっこう大きいところだよね?」
「うん」
「じゃあ、そこにしよ」
僕は自転車の後ろに真美を乗せて、全速力で
自転車を漕いだ。
「あ、そういえば・・・これ」
真美が僕に一枚のメモ用紙を差し出す。
僕は事故が起きないよう、前を見たままその紙を
受け取る。
「何の紙?」
「お母さんの携帯の電話番号」
「そんなのいらないよ」
「いいから持っといて・・・。必要になるから・・・」
「・・・わかった・・・」
そんなやり取りをしているうちに大学病院に着く。
そのあとのこあとはあまり覚えていない。
焦ってたし・・・。
レントゲンを撮ったり、
色々・・・。
「保護者の方を呼んでいただけますか?」
医師の低い声。
どうやら検査が終わったらしい。
「・・・はい」
僕は小さな声で返事をする。
そして、真美から教えてもらった電話番号に僕は
電話をかける。
真美の母親の携帯の番号に・・・。