「私たちが三歳だった頃に・・・私にある病気が発覚したの」
「ある病気?」
「そう。病名は・・・肺がん」
肺・・・がん?
気が動転する。
肺がんって・・・あの肺がん?
ニュースとかでみるあの病気・・・?
その時、僕の頭の中にある一文字が浮かぶ。
「死」という単語・・・。
「・・・大丈夫なの・・・か・・・?」
「それは後で。話続けるよ?」
「・・・うん」
「その病気の原因がさ・・・お母さんのタバコ・・・だとお父さんは思った。お母さんはヘビースモーカーだったから・・・。それに、お母さんも肺がんに昔なってたから・・・」
「だと・・・思った・・・?」
「うん。本当は違った。ただの放射線による影響・・・らしいんだ。けど、お父さんは信じられなくて拓也にも感染させたくないって言って、家を出た。まあ、家を出たっていうより仕事の事情で遠くに転勤することになって、それで拓也を連れて行った。君にまできっとがんにかかってほしくなかったんだろうね」
真美の表情は切ない。
「それから、そのまま・・・。離婚はしてないよ。まだ、別居・・・。おかしい話だよね。こんな長い期間の別居なんて。それで・・・今に至るの・・・」
「それ・・・いつ知ったの・・・?」
「最初から・・・ごめん。今まで嘘ついて・・・ごほっ」
真美がまた血痰を出した。
「真美!!」
「大丈夫・・・。でも、おかしいなぁ・・・。昔治ったはずなのに・・・」
「治った・・・?」
「うん・・・。手術して、がん摘出したんだけど・・・」
「でも・・・がんって・・・」
僕は言いかけてやめる。
それは・・・すごく言いづらいこと・・・。
けど、真美は躊躇なく、僕の言葉に続けて言った。
「また、再発する危険性がある・・・でしょ?」
真美は冷静に・・・けど切なそうにいった・・・。