「真美!?」
どうすればいいのかわからない。
何をすればいいのかわからない。
「大丈夫・・・だよ?」
真美が僕を気遣うようにそう言った。
・・・大丈夫なはずがない。
「真美・・・」
真美になんて言葉を言えばいいかわからない。
とりあえず、今僕が願うことはこの観覧車の僕達が
乗っている機体が早く下に着くこと。
それで、すぐ真美を病院に連れていくことだ。
けれど、その考えは無情にも一瞬で砕かれる。
ガコン!!
と大きな音がして機体が止まった。
「は・・・?」
僕の頭の中はさらに混乱する。
「拓也・・・落ち着いて・・・」
真美が壁にもたれかかりながら言った。
少しつらそうに見える。
「私は大丈夫。なんともないよ」
そう強がりを言った途端、血痰がでる。
「真美・・・お前はなんかの病気なのか・・・?」
「・・・やっぱ・・・覚えてないよね。私だってこんなことがなければ・・・」
「え・・・?」
「じゃあ、観覧車も止まっちゃたことだし、昔話でもする?拓也と私が別々に住むことになった本当の理由・・・」
真美の表情は笑顔。
けど、本当は辛いに決まってる。
「本当の理由?父さんの浮気じゃないのか・・・?」
「違うよ・・・。ごほっごほっ」
真美がせき込む。
「真美・・・無理すんな・・・」
「大丈夫・・・。お父さんは子供想いのいいお父さんだったよ」
真美はそう言って、目を閉じる。
昔を思い出してるのかもしれない。
そして、静かに・・・ゆっくりと目を開ける・・・。
「私たちが三歳だった頃・・・」
真美が語りだす・・・。
この時の僕はまだ知らない。
真美がどんな恐ろしい病気に罹っていて、
どんな決断を真美がしたのかを・・・。