62話 機体が止まって・・・ | love storys  ~17歳、私と君と。~

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どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

「真美!?」


どうすればいいのかわからない。


何をすればいいのかわからない。


「大丈夫・・・だよ?」


真美が僕を気遣うようにそう言った。


・・・大丈夫なはずがない。


「真美・・・」


真美になんて言葉を言えばいいかわからない。


とりあえず、今僕が願うことはこの観覧車の僕達が


乗っている機体が早く下に着くこと。


それで、すぐ真美を病院に連れていくことだ。


けれど、その考えは無情にも一瞬で砕かれる。


ガコン!!


と大きな音がして機体が止まった。


「は・・・?」


僕の頭の中はさらに混乱する。


「拓也・・・落ち着いて・・・」


真美が壁にもたれかかりながら言った。


少しつらそうに見える。


「私は大丈夫。なんともないよ」


そう強がりを言った途端、血痰がでる。


「真美・・・お前はなんかの病気なのか・・・?」


「・・・やっぱ・・・覚えてないよね。私だってこんなことがなければ・・・」


「え・・・?」


「じゃあ、観覧車も止まっちゃたことだし、昔話でもする?拓也と私が別々に住むことになった本当の理由・・・」


真美の表情は笑顔。


けど、本当は辛いに決まってる。


「本当の理由?父さんの浮気じゃないのか・・・?」


「違うよ・・・。ごほっごほっ」


真美がせき込む。


「真美・・・無理すんな・・・」


「大丈夫・・・。お父さんは子供想いのいいお父さんだったよ」


真美はそう言って、目を閉じる。


昔を思い出してるのかもしれない。


そして、静かに・・・ゆっくりと目を開ける・・・。


「私たちが三歳だった頃・・・」


真美が語りだす・・・。


この時の僕はまだ知らない。


真美がどんな恐ろしい病気に罹っていて、


どんな決断を真美がしたのかを・・・。