47話 短距離電話 | love storys  ~17歳、私と君と。~

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どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

香織は僕のほうをじっと見る。


けれど何も言わない。


その時、香織の目に溜まっていた涙が一滴


流れ落ちた。


と同時に香織は僕に背を向けて歩きだす。


そして、近くにあるベンチに座った。


香織の表情はもう見えない。


暗くて、シルエットだけ。


けど、シルエットだけで香織だということは、


はっきりとわかる。


香織はなぜ泣いていたのだろう・・・?


その時、香織がポケットから何かを取り出す動作をした。


何を取りだしたのだろうか・・・?


「ん?」


僕のポケットから何かの振動がする。


携帯だ。


僕は、携帯を取りだし、画面を見る。


「は・・・?」


その表示は『今井香織』と表示されていた・・・。


僕は迷うことなく電話に出る。


この電話に出れば、きっと香織の涙のわけがわかる。


そして、ここで僕の本当の気持ちを伝える・・・。


そんな決意を固めて僕は通話ボタンを押した。


『もしもし』


香織の声はすごく優しく温かいものだった。


けど、その中にはきっとさびしさが含まれていて・・・。


まるで香織じゃないようだった・・・。