40話 あの場所 | love storys  ~17歳、私と君と。~

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どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

「あのさぁ・・・聞いてる?」


学校の帰り道、不機嫌そうな顔で、


香織が僕に言う。


初めての恋人としての下校。


けど、僕が香織の話題を『うん』だけで


終らせていたから怒っているのだろう。


「ああ、ごめん。何?」


「せっかく、一緒に帰るのに・・・」


香織がぶつくさ文句を言う。


「ごめんって。聞いてる?」


「聞かな~い」


そう言って、香織は僕と逆の方を向く。


どうやら拗ねてしまったらしい。


「ごめんごめん。じゃあ、ひとつ言うこと聞くから」


僕がそう言うと、香織は


「本当!?」


と言って笑顔になった。


「何がいい?」


「う~ん・・・」


香織の真剣に悩む姿がとても可愛らしい。


「じゃあさ、目閉じてくれない?」


香織が変な注文をする。


「ん・・・。分かった」


僕は素直に従い、目を閉じる。


漆黒の世界が広がって、光が全く見えない。


香織は何をしようとしているのだろうか・・・?


「ちゃんと目閉じてる~?」


香織の声が聞こえる。


「おう」


僕は見えない相手に応答する。


その時、僕の唇にもう一つの唇が重なる。


驚いて僕は目を開けた。


その相手はもちろん香織。


香織が僕の背中に手を回す。


僕も香織の背中に手を回した。


幸い周りには誰もいない。


半目で僕は確認した。


その時、ここが『あの』場所だと気づく。


その瞬間、反射的に僕は香織から離れた。