28話 迷って・・・ | love storys  ~17歳、私と君と。~

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どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

あの日と違うところを挙げろという方が難しい。


そう思えてくる。


唯一あるとすれば、


今日は晴れているというぐらいだ。


だから、もちろん目が合った相手は真美。


真美は僕と認識した途端、一瞬笑顔になった。


けど、すぐに目を逸らす。


そして、つらそうな表情を浮かべた。


僕は、その表情を『僕』に出会ったからだと思った。


けれど、すぐに違うことに気づく。


一瞬の笑顔は『僕に会えたから』じゃなくて、


『助けてくれる人』が現れたから。


そして、そのあとの、つらそうな表情は、


『喜んではいけない』じゃなく、


『この人には、助けてもらってはいけない』


だったんだ。


もちろん、『助けて』という単語がでてきた時点で分かること・・・


それは、痴漢だ。


あの時は、助けるのが怖くて、足が竦んで、迷った。


けど、今は恐怖心は一切ない。


でも、迷う。


助けるべきかどうか・・・。


兄妹なら、助けるのは当たり前。


そんなことは分かってる。


ただ、昨日の一件があり、恋人を解消したこの僕が、


助けていいのかどうか・・・迷うんだ。


けど、こうやって迷っている間にも、


痴漢は続いている。


いっそ、他の誰かが助ければいい。


そんな他力本願を考える。


だが、誰も動くそぶりをみせる人はいない。


なら・・・そう思い、動こうとした時


「おっさん、痴漢やめろよ」


そう言って、一人の男子学生が、


痴漢おやじの手を掴む。


その学生を見て、僕は呆然とする。


その学生は幸一だった・・・。