家を出る時、自転車の鍵をあえて置いていく。
別に雨が降っている訳じゃない。
けど、歩きたい。
というより、自転車を漕ぐ気にならなかっただけ・・・。
駅までの道を歩く。
初めてかもしれない。
晴れの日に、電車通学なんて。
傘をささずに歩く道のり。
相変わらず時間がかかる。
今日は何故晴れているんだろうか・・・?
雨が降ってほしかった。
僕の心は涙でいっぱいだ。
溜まって溜まって流れることはない。
心の涙は流れる場所を知らないから。
瞳なら外へ流してしまえばいい。
そうすることで、少しは気持ちが楽になる。
けど、心の涙は外へは流れない。
なら、どうすればいい?
自問自答したところで、答えがでるはずもない。
駅が見えてくる。
何か・・・違和感を感じる。
それが何かはわからない。
そして、ホームに着くと同時に電車がくる。
今日は運がいいかも。
なんて、思う自分がばかばかしい。
電車の中はすごい人の量。
学生や社会人に押しつぶされそうになる。
身動きが取れない。
その時、一人の女の子と目が合う。
「あ・・・」
僕は思わず唖然とした。
なんで・・・?
理由は簡単。
家を出てから、この瞬間まで、
まるであの時を繰り返しているようだったから。
君と出会ったあの時を・・・。