朝、小鳥のさえずりが嫌な響きに聞こえる。
僕を不愉快な気分にさせるんだ。
体が重く、起き上がるのすらためらう。
僕はため息をついてもう一度、目を閉じた。
思い浮かぶのは、昨日の出来事。
昨日・・・真美の笑顔はほとんどなく、
泣き顔ばっかだった・・・。
いっそ、昨日デートしなければ・・・。
そう思ったところで、過去に戻ることはできない。
それに、いずれかは知っていたこと。
その時が早まっただけ・・・。
こうやって、過去について後悔するとき、
僕のifの世界が始まる。
もし、僕が真美のデートを用事があるとか言って、
断れば・・・。
もし、映像を思い出さなければ・・・。
もし、彼女に質問をしなければ・・・。
それは、きりがなく、意味のないこと。
そんなことは、分かっている。
けど・・・どうしても考えてしまう。
その時、目覚まし時計が耳に不協和音のように
鳴り響く。
いつも、睡眠を邪魔して不快感を募らしていた
目覚まし時計。
今はいつにも増して、いらだちを覚えるんだ。
僕は上半身を起こして、それを手につかんだ。
そして、次の瞬間・・・
ガシャン!!
と大きな音を立てて、目覚まし時計は粉々になった。
そのあと訪れる無音。
僕はそれをかみしめながら、
深い悲しみに襲われて、
涙を流した。