彼女は僕の初恋の人・・・?
それとも・・・違う・・・?
場の空気が重くなる。
薄暗く、空とは違った青で染められている水族館。
僕たちと同じくらいの歳のカップルがイチャついているのが、
視界に入る。
後は家族連れがチラホラと・・・。
みんな、笑顔で水族館という場所を楽しんでいる。
その中心で僕たちは無言。
何を話せばいいかまるでわからない。
彼女が初恋の人だという確証が持てたのなら,
舞い上がり、笑顔で楽しい話を真美としていたはずだ。
けれど、確証が持てない。
確かに真美は『私の初恋の人』と言った。
けれど、それはぎこちない。
もし、屈託のない笑顔で言ってくれてたのなら・・・
僕はこうやって疑うことはなかっただろう。
けれど、彼女の表情には迷いが見えた。
それは、数秒。
その数秒だけで・・・。
僕は疑ってしまうんだ。
「真美・・・」
気が付いたら、僕は彼女の名前を呼んでいた。
「・・・ん?」
「小さい頃・・・僕たちは本当に『恋人』としてここにきた?」
「本当に・・・何も覚えていないんだね・・・」
彼女の顔は少し寂しそうだった。
「うん。ごめん」
「拓也君に・・・」
そう言って彼女はいったん言葉を区切った。