「じゃあ・・・恋人になる・・・?」
改まって言う勇気もなかったので、冗談混じりにそう言った。
真美の顔を見る。
あれ・・・。複雑な表情。
「それは・・・私に対する妥協・・・?」
真美はそう言って空を見上げた。
「違うよ・・・僕の本心だ」
「嘘だよ・・・」
「なんで?」
「私を好きになる理由がないよ・・・」
彼女の表情は少し寂しそうだった・・・。
けど、その理由は僕にはわからない。
「人を好きになるのに理由なんているのかよ」
僕がそういうと、真美は僕の方を向いた。
少し嬉しそうな表情に変っていた。
「ありがとう」
真美・・・。
「まあ、校則違反だけどな」
僕は苦笑する。
「交際禁止・・・だっけ?」
「そう。でも付き合ってる人なんてたくさんいるけどな」
「そうだね」
彼女は笑って「よろしくね。拓也君」
彼女はそう言って手を差し出した。
僕はその手を優しく握る。
そう。この風が僕ら二人を包み込むように・・・。
彼女の手は温かい・・・。
真美の顔が赤くなった・・・。
きっと、僕の顔も赤くなっているだろう・・・。