11話 それが恋人なら | love storys  ~17歳、私と君と。~

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どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

彼女は僕に気づき、こっちを向いた。


やっぱり、そこにいたのは真美だった。


「屋上って立ち入り禁止だぜ?」


少し距離が離れているから大きい声で僕は言った。


「知ってるよ。けど、風にあたりたくて・・・」


「そっか」


僕はそう言って真美の方に行き、彼女のとなりで柵に肘をのせて外を見た。


朝降っていた雨がまるで嘘のように晴れ渡っている。


もし、この天気が朝から続いていたら、僕たちはこうして話すことはできたのだろうか・・・?


いつものように自転車で学校で向かっていたら、接点は間違いなくなかった。


ただ、席が隣ってだけで、たまに話すぐらいかもしれない。


けれど、現に雨はその時降って、僕は電車に乗って、真美を痴漢から助けて、僕は彼女をいつの間にか好きになっていた。


この出来事は、雨が降らなかったら、間違いなく起こらなかっただろう。


「拓也君こそ何してるの?」


真美がふいに聞いてくる。


「ここは僕の特等席だよ」


僕は冗談交じりにそう言った。


「お昼は一人で屋上で食べてるの?」


「うん」


「・・・友達いないの?」


真美は少し悲しい表情で言った。


「失礼な・・・。いるけど、昼休みぐらい、一人でゆっくり過ごしたいんだよ。風にあたりながらな」


「じゃあ、私は邪魔?」


真美はそう言って苦笑する。


「いや・・・二人もいいかもな屋上に男女二人きり・・・。なんかあこがれるじゃん」


僕はそう言って地面に座る。地面とはいっても屋上のだけど・・・。


少し冷たい。


「それが恋人同士なら・・・ね」


真美が僕の隣に座り、肩と肩がかすかにあたった。


「そうだな・・・じゃあ・・・・・・・・・・・」


もう、僕から言おうと決心がついた。


そして、二人に、さっきとは違う優しい風があたる。