10話 髪がなびいて | love storys  ~17歳、私と君と。~

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どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

相談なんてできないし、したくもない。


昼休みになり、みんなが弁当を取り出す。


各々の個性的な弁当。


親に作ってもらった人もいれば、自分で作ってる人もいる。


恋人に作ってもらった人もいるだろう・・・。


なんて羨ましい話だ・・・。


そんな弁当をみんなで話しながら食べる。


みんな相変わらず仲がいい。


香織は女友達と食べて、幸一は男女問わず大勢の人と食べてる。


ありゃ、まるで合コンみたいだ・・・。


そして、いつものように


「一緒に食べない?」


って幸一に誘われる。


けれど、いつも通り僕はそれを断り、教室を出て、いつも向かう場所に行く。


あれ?そういえば真美がどこにもいなかったような・・・。


先生にでも呼ばれたのかもしれない。


今日、初登校だから注意事項だとかもあるのかもな。


階段を昇って最上階。


そこからまた階段を昇り、寂しくひっそりと立つ扉を開ける。


僕に小さく弱い風があたる。少し冷たい風だ・・・。


そう。ここは屋上。


だれもいない屋上。


いつも、僕はそこで一人考え事をしながら昼食を食べるんだ。


別に、友達がいないわけじゃない。


という強がり。じゃない・・・ちゃんと友達ぐらいはいる。


いるけど、ただこの長い休み時間を一人で過ごしたいだけ。


けれど、そこには先約がいた。


柵に肘をのせて、外を眺めている女の子。


風が吹いてその女の子の髪がなびく。


それがすごくいとおしくて、絵になった。